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就職採用試験の位置づけ

このように書くと、「どうやったら、すべての試験に対応できるんだろう……」と不安に思ってしまう学生さんもいるかもしれませんが、そこまで心配する必要はありません。その理由は就職採用試験は大学受験などとは異なり、採用試験の「点数」が内定を決める重要事項ではなく、最も重要なポイントは「面接」だからです。

私が教えていた学生で、数学がとても苦手な人がいたのですが、彼曰く最初のペーパーテストの点数が明らかに悪いのに面接まで進み、そこで面接官に「君はかなり計算が苦手なようだね……」と言われたそうです。また、実際に中学生レベルの計算につまずいている学生さんが、2~3社に1社程度は筆記試験を通過しているケースも目の当たりにしています。これらのケースからわかるように、一般的な企業側は「最低限の学力は持っておいてもらいたいけれど、面接をしてみて見込みのある人材であれば採用しよう」という姿勢があるのです。

それでは、具体的にみなさんがどのようなスタンスで採用試験に臨めばよいかを考えてみたいと思います。まず先程の「算数や数学が苦手にもかかわらず、2~3社に1社程度は筆記試験を通過している」というケースについてみなさんはどう感じましたか? 「それなら、特に勉強をしなくても何とかなるかな」とは思わないでもらいのです。

2~3社に1社程度は筆記試験を通過していたその学生さんは、就職活動の途中で、2週間程度かけてしっかりと時間をかけて勉強をした結果、筆記試験で落とされることはほとんど無くなったそうです。つまり、初めの段階できっちりと対策をしていれば、「2~3社に1社」程度ではなく、最初から「ほとんど筆記試験では落とされない」という結果だったわけです。

多くの企業は「いい人材を確保するために、なるべく多くの学生と面接したい」というのが基本姿勢です。しかし、特に応募の殺到するような企業では、全員と面接をするというのはコスト面でも、時間の面でも事実上不可能です。そこで企業はコスト的にも負担の少ないペーパーテストを採用に活用するわけです。つまり、企業の目的はテストによって内定者を決めようとするのではなく、面接の候補者を選ぶために「ふるいにかける」ことにあります。また、社会に出た上で必要最低限の教養として、「割合」の計算などを知っておいてほしいというような意味を込めて利用していることもあります。性格適性検査については、面接や採用後における配置での補助的な役割であることが一般的です。

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